●各学会が提示する診療ガイドラインに準拠した治療を優先いたします。
●自分の子どもだったらどのようにするかを考えて診療を行います。
●お子様とご家族が納得いただけるように十分にご説明いたします。
●お子様の将来のために抗生剤の乱用などはせずに、必要最低限の投薬を心がけます。
●西洋の薬では不十分な場合、エビデンスのある漢方薬についても使用いたします。
●感染対策に十分配慮いたします。
●お子様とご家族が安心して通えるような温かいクリニックを目指します。
「こんなことでも受診してもよいのかしら?」「何科にかかればよいのかしら?」でも遠慮なく、ご相談にいらしてください。
発熱、鼻汁、咳嗽などの風邪症状はもちろんのこと、皮膚の症状、目の症状、耳の症状、腎・泌尿器の症状などお子様のすべての疾患につきまして、大学病院や小児病院での経験をもとに適切に診断と治療をさせていただきたいと思います。
必要に応じて、精密検査が必要な場合、専門的な診察が必要な場合、重症な疾患などが疑われる場合には近隣の専門病院をご紹介いたします。
お子様の発達や生活のことに関しましてご心配なことがございましたら、私の小児科医として2児の父としての経験をもとにお話ができたらと思いますので気軽にご相談ください。
小児科は、こどもの総合診療科です。どんな症状でも、原因を検索し、様々な疾患に対して治療を行います。
下記は、一般的な小児科の病気の一例ですが、これ以外にも数多くの疾患が存在しますので、どんな症状・疾患でもご相談いただければと思います。
症状
疾患
アレルギー疾患
当院では小児アレルギーの診療も行っております。
アレルギーとは、体を守るための免疫の反応が過剰に働いてしまい、かえって体に害を及ぼしてしまうものです。
アレルギーの症状の出方として、ダニ、ホコリ、花粉、動物のフケなどが主な原因として起こるような、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎。こちらは基本的には症状が出ないようにアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)の暴露を避けることが重要ですが、症状を抑えるためにお薬による治療が行われます。
また、食べることで症状が出るものとして、食物アレルギーがあります。食物アレルギーは、乳児期は卵・牛乳・小麦などが原因として多く、発疹、嘔吐・下痢、呼吸器症状、不機嫌などがおきます。発症のタイミングとして食べてからすぐの即時型と遅れて出る遅発型があります。また、食べたあとに運動して初めて症状が現れる運動誘発型があります。
これらのアレルギーの発症に、乳児期に湿疹からアレルゲンが感作されて発症に影響するものもあり、乳児期のスキンケアは重要ですので、赤ちゃんの皮膚のトラブルもお気軽にご相談ください。
気管支喘息
気管支喘息は、気道の慢性的な炎症が原因のゼーゼーを繰り返す病気です。ゼーゼーしている発作には、気管支拡張薬(ホクナリンテープ、メプチン吸入など)で治療します。気管支を広げるだけではまたすぐにゼーゼー繰り返してしまうため予防が大切です。予防のためには、慢性炎症を抑える必要があり、アレルギーを抑えるロイコトリエン拮抗薬(オノン・シングレア・キプレスなど)やステロイド吸入薬(フルタイド・パルミコート・アドエアなど)を用います。発作の程度や頻度を外来でお伺いして、予防の治療継続の期間を決定していき、喘息発作のない日常生活を目指していきましょう。
「独立行政法人環境再生保全機構ホームページ」
↓喘息の詳しいおすすめのパンフレット(PDF、44.9MB)です。
アレルギー性鼻炎/結膜炎
アレルゲンが眼や鼻粘膜に作用してしまい、目のかゆみやくしゃみ・鼻汁など局所に症状が出てきます。治療として、アレルギーを抑えるために、抗ヒスタミン薬の内服や点鼻点眼、ステロイドの点鼻点眼などがあります。
また、近年根本的な体質改善を目的とした免疫寛容療法として、スギ花粉やダニアレルギーに対して『舌下免疫療法』が行われております。こちらは、1日1回舌の下にアレルゲンのお薬をおいて体に慣れさせる治療です。投与期間は3〜5年間で、スギの場合にはスギの飛散時期以外の6月〜11月から開始いたします。
●舌下免疫療法●
当院では、初日に診察・血液検査(他院で検査されていれば省略可)をさせていただきます。
↓
後日、血液検査の結果でアレルゲン確認し、舌下免疫療法のビデオ説明・同意書確認・投与方法のビデオ説明・実際に初回投与を院内で行い、30分の経過観察をさせていただきます。(合計1時間程度)
※初回投与される日は、お電話か受付で事前にご予約(午前9:00−11:00、午後15:00−17:00)いただいております。
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1週間後に再診し、お薬を増量いたします。
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以降は1月に1回程度外来受診をしていただいております。
↓詳しい舌下免疫療法の説明は、こちら
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、『良くなったり悪くなったりを繰り返し(乳児では2ヶ月以上、それ以降は6ヶ月以上)、かゆみのある湿疹がメインの症状で、アトピー素因を持つ方が多い』病気です。
治療として、初診の際に,まず基本となるスキンケアの仕方についてお話いたします。そして症状に合わせて、保湿剤、ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬などを用いて治療をいたします。ステロイド軟膏は特に中途半端な使い方をすると十分な改善が得られずステロイドの副作用がむしろ増強するため、使う量や期間についてよく相談して使用しましょう。
「独立行政法人環境再生保全機構ホームページ」
↓アトピー性皮膚炎の詳しいおすすめのパンフレット(PDF、24.3MB)です。
食物アレルギー
食物アレルギーの発症パターンとしては、①新生児・乳児消化管アレルギー、②食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎、③即時型症状(蕁麻疹、アナフィラキシーなど)、④特殊型(食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群)があります。
乳児期は、卵、牛乳、小麦が多いですが、幼児期以降はナッツ類、そば、魚卵、果物などでの新規発症が見られます。乳児期は約10%、幼児は約5%、学童では1.3-4.5%程度の有病率とされています。
食物アレルギーが疑われる患者様には、当院では血液検査(特異的IgE検査、IgEなど)を施行いたします。検査の適応としましては、疑われる食べ物がある場合に検査を行っております。食べて症状のでない方でも血液検査では陽性となることがあり、不必要な除去につながってしまう可能性があるため、症状のない方のアレルギー検査は推奨しておりませんのでご了承ください。また、血液検査で反応がないときには、プリックテスト(皮膚反応の検査)を検討いたします。
①新生児・乳児消化管アレルギー
新生児・乳児消化管アレルギーでは、乳児期早期に主に人工栄養児において発症する血便、嘔吐、下痢、体重増加不良などを主な症状として認める疾患です。アレルギー用ミルクなどで症状は改善し、2歳までに耐性を獲得することが多いです。
②食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎
食物アレルギーに関与する乳児アトピー性皮膚炎は、スキンケアを行っても寛解・増悪を繰り返す乳児アトピー性皮膚炎では食物アレルギーの関与を疑います。原因として疑わしい食事を1,2週間除去して改善した場合には、確定診断のために経母乳負荷を行います。
③即時型症状(蕁麻疹、アナフィラキシーなど)
即時型症状は、乳児〜大人まで全ての年齢で起こりうるものです。原因食物を摂取後、数分から数時間以内に皮膚症状、粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状、循環器症状、神経症状を認めます。複数臓器に症状が出た場合にはアナフィラキシーといい、循環器系のショック症状があればアナフィラキシーショックと言います。
④特殊型(食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群)
ある特定の食物摂取に運動負荷が加わることでアナフィラキシーを起こすものを食物依存性運動誘発アナフィラキシーといいます。また、口腔粘膜に限局した即時型アレルギー症状を口腔アレルギー症候群といいます。主にシラカンバやハンノキなど花粉感作により交差抗原性を持つ果物・野菜が主な原因食物となることがおおいです。
小児科では、お耳やお鼻に関するトラブルについてもご相談をお受けいたします。下記は、主なこどもに関わる小児耳鼻科疾患です。
重篤なものでなければ、当院でも対応可能ですのでご相談ください。
小児科では、お肌に関するトラブルについてもご相談をお受けいたします。下記は、主なこどもに関わる小児皮膚科疾患です。
皮膚の病気の基本は、スキンケアです。当院では、スキンケアの仕方から、お薬の投与量、今後の経過などわかりやすくご説明させていただきます。
小児科では、外科に関わる疾患にも関わっております。外科疾患は、経過観察や保存的な治療で自然に治るものや、保存的に経過を見て治らなければ手術が必要となったり、緊急で手術が必要なものまで様々です。当院では、保存的な治療で改善が見られない場合や緊急な症例などを、適切なタイミングで近隣の小児外科の先生へご紹介させていただきます。
小児科では、腎泌尿器に関わる疾患にも関わっております。埼玉県立小児医療センターにて、尿路感染症、検尿異常(血尿・蛋白尿)、腎炎、慢性腎不全透析などの診療に関わって参りました。尿検査、血液検査、超音波検査などの検査を行い、疾患の診断や、保存期の経過観察、治療を行ってまいります。
◯初回受診はエコー検査と説明に30分程度の診察時間がかかります。
初回診察前に確認したい内容もございますので、
事前に受付や電話予約をお願いします。
おねしょ外来日:月・火・水・金 15:00〜15:40
夜尿症とは? |
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夜尿は、"5歳以降で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続く場合"をいいます。
● 5〜6歳で約20%
● 小学校低学年で約10%
● 10歳を超えても5%前後
● 中学生では1〜3%
の小児に見られ、小児では感染症、アレルギーにつぐ頻度の多い病気です。
夜尿の存在は、肉体的にも精神的にもお子様の生活の質を低下させるため、積極的な治療が必要です。
当院では、夜尿症のお子様に積極的に検査・治療を行っております。
"おねしょ"でお困りの方は是非ご相談ください。
夜尿症の原因は? |
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● 膀胱が小さいため、尿をたくさん溜められない
● 夜に尿がたくさん作られる(多尿)
● 夜におしっこしたくなっても起きられない(覚醒障害)
この3つが関わって、夜におもらししてしまいます。
夜尿症の頻度は? |
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● 日本の小中学生を含む5歳〜15歳の約80万人が罹患していると推定される。
本人にとってどれぐらいストレスか? |
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● 本人にとっては『いじめ』より悪い体験。
治療の流れは? |
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● まずは,生活改善に取り組みます。
● 2〜4週間後改善が見られない場合には,薬物療法やアラーム療法で治療することが推奨されています.
生活改善とは? |
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● 早寝早起きをして、規則正しい生活をする。
朝食、昼食はしっかり摂りましょう。夕食から寝るまでの間を、3時間あけるようにしましょう。水分摂取後3時間で約8割の尿が作られるので、あまり時間があかないとおねしょしやすくなります。
● 水分のとり方に気をつけましょう。
日中は、しっかり水分を摂りましょう。夕食からは、夕食時の水分も含め、約200ml以内の水分摂取を心がけましょう。
● 食事の内容を気をつけましょう
夕食時は、塩分、カリウム、カルシウム、糖分は控えめにしましょう。のどか乾くため、水分摂取量が増えてしまいます。
●便秘に気をつけましょう
便秘の改善で夜尿の6割が改善すると言われています。便秘がある方は、日中は水分をしっかり取り、食物繊維の多い食事を心がけましょう。必要あれば、便秘の投薬もいたします。
●寝る前にトイレに行きましょう。
●寝ているときの寒さ対策をしっかりしましょう。
●夜中は無理に起こさないようにしましょう。
●ストレスを与えないように、『あせらせない、おこらない、比べない、ほめて!』
寝ている間に出る、抗利尿ホルモンが関与しており、お子様にストレスを与えるとホルモンの分泌にも影響します。おねしょしたい子はいないため、ほめて治療しましょう。
●続けるためにも、夕食後の運動・習い事のある日、どうしても我慢できない日などは、夜尿は大目に見てあげましょう。
薬物療法 |
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● デスモプレシン製剤(ミニリンメルト)
薬物療法の第一選択薬です。おしっこの中の水分を体の中に再吸収させるホルモンのお薬です。夜間、多尿であり、膀胱の大きさが正常のお子様に有効性が高いとされています。副作用として、水中毒(頭痛、嘔気)があるため、夕食後の水分制限が十分できない場合には服用できません。
● 抗コリン薬
日中のおもらしがあるお子様には、デスモプレシンと併用します。夜尿のみの方には、抗コリン薬のみでは有効性は低いです。副作用として、口渇、羞明、便秘があります。
アラーム療法 |
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● 保険適応がありません。
● パンツやおむつにアラームを付けて、濡れるとブザーや光でお知らせします。
● 効果が出るまで6週以降かかることが多いが、有効例では再発が少ない。
● 夜尿回数が少ない症例では、アラームがならないため効果が少ない。
【アラーム機器】
①ウェットストップ 3 (有線式) http://mdkinc.co.jp/WetStop3.html
②ユリンスコープ(無線式) https://www.urinescope.com/
③ピスコール (無線式) http://www.pisscall.jp/
西崎直人 、腎と透析 89(1): 49-54, 2020.